リストしてみると、今年も多くの本を読もうとしたが結果的には残念なことにあまり読めていなかったことがわかった。理由としてはいろいろあるが、大体多くのビジネス書の書いてある内容がわかってきて読むことがマンネリ化している気がすることも要因の一つとしてあげられる。
そのように感じつつ今年は比較的新しい本を読んでおり、中でも「ゲームチェンジャーの競争戦略」と「ZERO TO ONE」は考え方に大きな影響を与えた二冊になったと思う。また、今年からは月刊誌の『事業構想』を定期購読することにした。ここで記事になった時点ですでに白昼に晒されていることになるが、自分の知らないビジネス領域を見聞きするアンテナとして非常に有益性を感じている。
- 『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』 松尾 豊 著
- 昨今のディープラーニングや人工知能といった技術トレンドについて、過去の経緯も踏まえながら、大局的に論じている書。文系の方でも読み進めて理解していけるはず。人工知能とその先にあるものを考えるとっかかりとして最適な本。
- 初版 2015年
- 『深層学習 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)』 岡谷 貴之 著
- ディープラーニングで使われる技術について解説した書。数式が多く、理系の方でも読み進めるのは大変。ページ数は多くない(165ページ)が値段が高い(税別2,800円)、1ページ1ページ、数式ひとつ一つを噛みしめて読みたい。ただ、ディープラーニングのエンジンはオープンで利用できたり、その選択肢はいくつかあったりする。実際にアプリケーションを作る側の人間は、本書の内容をさらっと知っておくと、その応用が容易になるのではないかと考える。
- 初版 2015年
- 『ゲーム・チェンジャーの競争戦略 ―ルール、相手、土俵を変える』 内田 和成 著
- 企業が、新興勢力が参入してきた際に取るべき方策を示した書。日本の産業構造において、新興勢力の価格攻勢には立ち向かうことが困難である。自らの能力を保持しながら、ほかの領域にジャンプしていくべきだと学んだ。エンジニアでも読みやすい。
- 初版 2015年
- 『異業種競争戦略』 内田 和成 著
- 『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』の土台本。
- 初版 2009年
- 『ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか』 ピーター・ティールほか 著
- 目から鱗の企業本。『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』と読み合わせることで、ビジネスとしてどこを狙うべきなのかが明確になってくる。「誰も真実を言わない」ことからピーター・ティールもどこまで本当のことを述べているかわからないが、「競争より独占」は現代において正しい。先行者が地位を確立したのち、その地位を奪うことはほぼ不可能だ。だから地位を確立できるところをまず狙うべき。
- 初版 2014年
- 『技術を武器にする経営 日本企業に必要なMOTとは何か』 伊丹 敬之ほか 著
- 50代以上の達観視しているマネジメントに読んで頂きたい本。
- 初版 2014年
- 『エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢 渡米・面接・転職・キャリアアップ・レイオフ対策までの実践ガイド』 竜 盛博 著
- ソフトウェアエンジニアがシリコンバレーで働くためのノウハウを記した書。面接官経験のある著者が日本の若いエンジニア向けに事実を伝えてくれている。コーディングテストが日本との違いを感じずにはいられないが、米国で「エンジニア」として働くことの真髄がそこにあると感じた。
- 初版 2015年
- 『なぜ新しい戦略はいつも行き詰まるのか?』 清水 勝彦 著
- 最近感じていたビジネス本、特に戦略について述べられている本へのマンネリ感を直球勝負で解明してくれた本。一歩踏み出すことが重要であり、それは一本ではなく数をたくさん打つ必要がある。戦略…と言って時間をかけているよりは、まずはやってみることが近道であると今は考えている。
- 初版 2013年
- 『月刊事業構想』 事業構想大学院大学 出版部 編集
- 最新の、しかも成功しつつある・しているビジネス事例が毎月紹介される。市場調査資料としてもとても参考になり、定期購読するとオンラインでも購読可能。情報源として非常に有益。
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