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2010/01/17

アメリカのアパート退去

やっと日本の生活になれてきたたところで、アメリカのアパート退去に関するメモを忘れていたので書きます。

前回は、果たして敷金(=セキュリティデポジット)は返ってくるのか、という疑問を書きました。結論から言うと、きちんと返ってきました。正直ホッとしました。

今回はその辺りを含めて、退去に関する手続きなどをメモしたいと思います。

はじめに"30 days notice"というものを退去日から30日前までに書く必要がありました。隣のアパートメントのスタンフォードウェストさんの例だとこんな感じの書面です。
もしかしたらmonth to monthの契約でなく、契約満期で退去するために必要だったのかもしれませんので、法的に必ずしもすべての人が提出する必要がある書面であるのか否かはわかりません。
僕の場合は8月末に退去することにしたので、7月までに記述して提出する必要がありました。


"30 days notice"を提出すると、"first inspection"をするかどうかと聞いてきます。
これは退去者の権利としてあるようです。敷金から修繕費が引かれますが、いくら引かれるかどうかはアパート次第。そのアパートが悪徳企業によって運営されていたら、取られ放題になってしまいます。この問題は日本でも同じですが、アメリカでは予め「どこを直さなければならないか」を事前に知ることができる。そして、指摘箇所を退去前に自分で業者に依頼して修繕することができる。それがファーストインスペクションの制度のようです。

僕の場合は日本に戻ることを通知してあるので運が悪ければ取られ放題であったため、そして何でも試して見たいこともあったため、退去の半月前くらいにお願いしました。お願いをできる期限は決まっているので、退去日からあまり前過ぎず、そして直前過ぎずといったところでした。ただ帰国前って仕事も諸手続きもパッキングもせわしなくて、時間を取るのが難しいんですよね。。。

"first inspection"は至って簡単でした。係の人が来て、部屋の中を一瞥して終了。タバコを吸わず、ペットも子供もおらず、きれいに使っていたので当然といえば当然ではあります。また、アパート側にしてみれば退去後の"final inspection"にて欠陥を発見したことにすれば、事実上"first inspection"は無効にはなります。ま、そこまでするのは本当に悪徳運営会社ですから、アメリカ人だったら訴訟に持ち込むのでしょう。

また、家財保険に入っていたら、その解約予約もする必要があります。家財保険会社は日本語通訳がいるのでサクっと終わらせようとしたところ、通訳者を頼む前に、エージェント経由で契約したため、エージェント経由で解約する必要があると言われました。エージェントに電話をすると日本語通訳者がいない、という事態に気がつきましたが、なんとか電話で解約予約をすることができました。

また、郵便物の転送手続きです。USPSのオンラインページでもできるようですが、郵便局に行ってフォームをもらってきました。「引っ越しするので転送届け(transfer form?)が欲しい」と言えばセットになっているフォーム一式をくれます。通常郵便とカタログなどの広告便の二種類について転送するか否かをチェックします。日本の住所を書いておくと、きっちり日本まで転送してくれました。

あとは、電気代のデポジットの回収です。Palo Alto市は市のサービスとして電気代が徴収されていました。引っ越す旨を言うと、引っ越し日で電気を止めてくれることになりました。最後の支払いはデポジットからの引き落としで、残りのデポジットはチェックで日本まで送ってくれました。日本からBank By Mailでチェックを入金する必要がないので、本当は銀行に振り込んでもらったほうが嬉しいのですが、手続きでミスがあると外国から問い合わせするのが不便ですからこのようにしました。

なお、郵便や電気などは一ヶ月前を目安に通達しておくのが良いでしょう。


そして最終日。引っ越し業者に荷物をパッキングしてもらいます。いちおう日系企業の引っ越し会社ではあったのですが、パッキング担当者が現地の方でしたので、日本に着いたら少なからず大変なことになっていました…。それはともかく、夕刻までになんとか発送を終え、アパートの管理事務所に鍵を渡しに行くことができました。ここで最後に検査をするのかと思いきや、鍵を渡したら終了で、非常にあっさりしたもの。

少し会話でもと思って敷金の返金方法を確認しようとしたところ、アパートの管理会社の副事務長さんが登場。窓口の人は口座番号を控えているのでその口座に振り込みますと言っていたのに、副事務長さんは銀行のチェックブックを持ってるか?と聞いて来ました。細かい説明がわからなかったのですが、チェックブックを渡すと巻末のデポジットスリップを一枚切って、「言ってる意味がわかったわよね?」と目で合図。「なるほど〜」と合点しました。デポジットスリットは入金専用の小切手で、そこに書いた金額が僕の口座に振り込まれます。そこには口座番号(=あまり教えてはならないのですが)も書いてあり、番号を間違えることはありません。実は入居手続きの時も不明なことがある時には必ずこの副所長さんが出てきてスタッフを指導していたので、今回も非常に安心できました。

およそ一ヶ月ほどしてから敷金が銀行口座に返金されました。金額はクリーニング代2〜3万円ほどを引いた残額。少し不安でしたが、非常に良心的な処理でした。

言葉の壁があって、入居のときからドキュメントにくまなく目を通したり、冷蔵庫が壊れたり自転車が盗まれたりシャワーヘッドを交換してもらったりするために説明したり、非常に苦労したアパートでした。でも最後は気持ちよく手続きを進めてくれて、今となっては楽しい良い想い出になりました。

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